片山さんの「天賦人権論」が話題になってますが、『逆説の日本史1』の基本的人権の話を思い出しました。ちょっと抜粋してみます。
そもそも基本的人権とは何か?
辞書を引くと、次のように定義されている。人間が生まれながらに有している権利、人は生まれながらにして自由かつ平等であるという主張に表現されており、アメリカの独立宣言やフランスの人権宣言により国家の基本原理として確立。日本国憲法では平等権、思想・信教の自由、集会・結社・表現の自由、社会権、拷問の禁止、黙秘権などを基本的人権として規定。(『広辞苑』)
まあ、こういうものを読んで、あまり「知ってるつもり」にならない方がいい。たとえば、では、なぜ「基本的人権」は「人間が生まれながらに有している」のか、と聞いても答えられない人の方が多いだろう。それは現代はともかく、その成立を歴史的に見るならば次のような考えに基づく。
すべての人間は平等に造られている。彼らは、その造物主(ゾウブツシュ)によって一定のゆずり渡すことのできない権利を与えられている。(中略)それらの権利を確保するために、政府(国家)が人間の間に設けられる。政府の正当な権力は統治者の承諾に由来する。(『有斐閣六法全書』)
アメリカ独立宣言の一節である。
これを見れば、なぜ、基本的人権が「生まれながらに」有している権利なのか、一目瞭然だろう。
つまり、それは造物主に与えられたものだからだ。造物主とは原語で the Creator(ザ・クリエーター) という(Cを大文字で書くことに注意) 。神のことである。キリスト教(イスラム教も含む)の神のことだ。この神は天地創造(the Creation ザ・クリエーション)をした神で、人間の先祖(アダムとイブ)も「土のちり」から創造した。
この神から与えられたものだからこそ、この権利は「生まれながらに有し」、しかも全員一致の決議が出ようと奪えないものになる。
その権利は、人間を超えた存在である神に由来する。だからこそ侵せないし奪えない。井沢元彦『逆説の日本史1』より抜粋
まぁ、日本人でもキリスト教徒なら天賦もありかも知れませんが、大部分の日本人には歴史的・宗教的になじまないといったところでしょうか。(^_^;
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