説が当たっているかどうかは分かりませんが、引用している資料が素晴らしいです。(^_^;
たとえば、特に面白かったところを下記に抜粋してみました。他にもたくさん面白いところがありますが、日本史とあまり関係ない話のところが面白かった。(^_^;
山本七平氏は、ある教育関係者から質問を受けたという。
「ある学校のクラスで宿題を忘れた生徒を罰するため、全員一致で決議がなされた。
それは全員の前で服を脱いで謝る、というものだった。そして、その罰則が実際に適
用され、一人の女性徒が "ストリップ" をさせられる破目になった・・」
これをどう思いますか、というのが質問だった。
質問者は、これが「やり過ぎ」で「良くないこと」だということは、何となくわか
っていたのだろう。しかし、どこが「いけない」のか、明確に指摘することができな
い。そこで、それをたずねたわけだ。
もちろん、これは良くないことである。
では、ここで読者の皆さんに、この行為のどこがいけないのか、考えて欲しい。そ
の理由をきちんと説明できる人は、民主主義の本質を理解している人である。
山本氏の答を、私なりに補足すると、次のようになるだろうか。
まず、第一に「宿題を忘れたら・・をしなければならない」という法(ホウ)が、事前
に決められていなければならない。ある行為がなされた後で、その行為を罰する法を
制定することは、やってはいけないことである。
第二に、仮に事前に決められていたとしても、宿題を忘れた程度の罪で、人前で服
を脱がせるなどということは、人間の尊厳を侵す。たとえ全員一致でも侵してはなら
ないこと、決めてはならないことがある。
以上が正解である。
一は法治主義(法の支配)、あるいは詳しく言えば罪刑法定主義であり、二は基本的
人権ということである。
この二つがない限り、民主主義とは言えない。これは民主主義にとって最も重要な
要素のうちの二つである(他にもある)。井沢元彦『逆説の日本史1』より抜粋
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